サノレックス(マジンドール)とは
- サノレックスは、マジンドールという成分の飲み薬です。薬の分類は「食欲抑制剤」です。
- 医師の処方が必要な医療用医薬品です。第三種向精神薬で、習慣性医薬品でもあります。
- 使えるのは高度肥満症(肥満度+70%以上、またはBMI35以上)の人で、食事療法と運動療法の補助としてだけです。
- 期間は3か月が限度です。1回に処方できるのは14日分までです。
基本の情報
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 成分 | マジンドール(1錠0.5mg) |
| 製造販売元 | 富士フイルム富山化学 |
| 規制の区分 | 劇薬・向精神薬・習慣性医薬品・処方箋医薬品。インタビューフォームでは第三種向精神薬 |
| 承認 | 1992年7月3日 |
| 薬価収載・発売 | 1992年8月28日に薬価収載、1992年9月24日に発売 |
| 再審査の結果 | 2003年1月17日(承認の中身に変更なし) |
| 電子添文 | 2024年8月改訂(第2版) |
向精神薬は、脳に働いて気分や意識に影響しうる薬として、法律で扱いが決められている薬です。習慣性医薬品は、くせになるおそれがあるとして指定された薬です。
使える人は、高度肥満症に限られる
電子添文の効能は、次のとおりです。
あらかじめ適用した食事療法及び運動療法の効果が不十分な高度肥満症(肥満度が+70%以上又はBMIが35以上)における食事療法及び運動療法の補助
読み解くと、条件は3つです。
- 肥満度が+70%以上か、BMIが35以上であること
- 先に食事療法と運動療法を行っていて、それでも効果が足りないこと
- 薬は、食事療法と運動療法を続けるための補助として使うこと
BMIは、体重(kg)を身長(m)で2回割った数です。肥満度は、標準の体重と比べてどれだけ重いかを示します。ほかの病気が原因の肥満(二次性肥満)では、先にもとの病気を治療します。
飲み方
- 大人は、1日1回1錠(0.5mg)を昼食の前に飲みます。
- 1日に飲める量は最高3錠(1.5mg)までです。その場合は2〜3回に分けて、食事の前に飲みます。
- 電子添文は、できるだけ少ない量で使うよう求めています。
- 夕方に飲むのは避けます。眠れなくなることがあるためです。
- 飲んでいる間は、車の運転など危険を伴う機械の操作をさせないこととされています。
期間は3か月まで、1回の処方は14日分まで
電子添文は、期間について次のように書いています。
投与期間はできる限り短期間とし、3ヵ月を限度とする。なお、1ヵ月以内に効果のみられない場合は投与を中止すること。
さらに、肺高血圧症の報告などがあることから、3か月を超えて使わないよう求めています。
処方の日数にも上限があります。国の告示で、向精神薬は1回に14日分までと決められています。マジンドールは、30日分や90日分まで出せる薬の一覧に入っていません。そのため、1か月分をまとめて受け取ることはできません。
警告:アンフェタミン類と似た性質
電子添文のいちばん上にある警告には、次の2つが書かれています。
- この薬の主な性質はアンフェタミン類と似ているので、依存性に気をつけること。海外では、食欲抑制剤の多くで、数週間のうちに効きにくくなる(薬物耐性)という報告があること。
- 決められた用法・用量と効能を、必ず守ること。
使ってはいけない人(禁忌)
- この薬の成分で過敏症を起こしたことがある人
- 閉塞隅角緑内障の人
- 重い心臓の病気、重い膵臓の病気、重い腎臓・肝臓の病気がある人
- 重い高血圧の人、脳血管の病気がある人
- 不安・抑うつ・異常な興奮の状態の人、統合失調症などの精神の病気がある人
- 薬物やアルコールを乱用したことがある人
- MAO阻害剤(セレギリン・ラサギリン・サフィナミド)を使っている人、やめて2週間以内の人
- 妊娠している人、妊娠している可能性がある人
- 小児
授乳中の人は、授乳しないことが望ましいとされています。
副作用
重大な副作用
- 依存性(頻度不明):サルの試験で精神依存が見られました。人で長く使ったときの依存性や精神の症状ははっきりしていませんが、気をつけるよう求めています。
- 肺高血圧症(頻度不明):動いたときの息切れ、胸の痛み、気を失うなどの症状が出たら中止します。
そのほかの副作用
| 頻度 | 主な症状 |
|---|---|
| 5%以上 | のどの渇き(口渇感)、便秘 |
| 0.1〜5%未満 | 睡眠障害、頭痛、脱力感、めまい、だるさ、いらいら感、眠気、ふらつき、吐き気・嘔吐、胃の不快感、おなかの張り、腹痛、下痢、動悸、発疹、肝臓の検査値(AST・ALT)の上昇、尿が出にくい、口の中の苦み、汗、性欲の低下、脱毛、さむけ |
| 0.1%未満 | 頻尿、のどの不快感、月経の異常 |
| 頻度不明 | 神経過敏、激越(強い興奮)、抑うつ、精神障害、ふるえ、幻覚、不安、けいれん、頻脈、胸痛、血圧上昇、脳卒中、狭心症、心筋梗塞、不整脈、心不全、心停止など |
試験の結果の読み方
電子添文の臨床成績には、BMI35以上の高度肥満症の44人の結果が載っています。全般改善度(医師が全体を見て判断した改善の程度)は、「中等度改善以上」が43.2%(19/44例)、「軽度改善以上」が75.0%(33/44例)でした。
これは体重が何kg減ったかの数字ではありません。食事療法と運動療法を続けている人での、医師の評価です。
保険と薬価
サノレックスは薬価基準に収載されています。2026年10月1日適用の一覧で、1錠156.50円です。
保険が使えるのは、効能の範囲(高度肥満症の食事・運動療法の補助)で使う場合です。薬価は保険の公定価格です。診察や検査の費用は別にかかります。
質問と答え
サノレックスは薬局で買えますか?
買えません。処方箋医薬品で、医師が高度肥満症と判断した人に処方する薬です。市販の「痩せる薬」の仲間ではありません。
3か月を過ぎても続けられますか?
電子添文は、3か月を限度とし、3か月を超えて使わないよう求めています。1か月以内に効果が見られなければ中止します。
1か月分をまとめて出してもらえますか?
できません。向精神薬は、国の告示で1回に14日分までと決められています。マジンドールは、それより長く出せる薬の一覧に入っていません。
BMIが30くらいでも使えますか?
効能の対象は、肥満度+70%以上またはBMI35以上の高度肥満症です。この条件に当てはまらない人は対象外です。美容や体型を整える目的の薬でもありません。
お酒を飲む人は使えますか?
薬物やアルコールを乱用したことがある人は、禁忌(使ってはいけない人)に入っています。飲酒の習慣は、処方を受ける前に医師に伝えてください。
- サノレックス錠0.5mg 電子添文(2024年8月改訂 第2版)|PMDA(2026-10-01確認)
- サノレックス錠0.5mg 医薬品インタビューフォーム(第11版)|富士フイルム富山化学(2025年8月)
- 療担規則及び薬担規則並びに療担基準に基づき厚生労働大臣が定める掲示事項等(平成18年厚生労働省告示第107号)|厚生労働省(2026-10-01確認)
- 薬価基準収載品目リスト及び後発医薬品に関する情報について(内用薬)|厚生労働省(令和8年10月1日適用のページ)
ここに書いているのは公的な資料の要約です。あなたの体に合うかどうかの判断はできません。使い始める・中止する・量を変える前に、処方を受けた医師か薬剤師に確かめてください。医療機関の紹介や薬の販売は行っていません。