マンジャロの副作用と、出たときの動き方

マンジャロ.tokyo編集部|最終確認 2026-09-30

先に結論
  • 添付文書で「5%以上」とされているのは、吐き気、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、消化不良、食欲減退の7つです。どれもおなかの症状です。
  • 吐いていて強い腹痛がずっと続くとき、ひどい便秘やおなかの張りに腹痛や嘔吐が重なるときは、次の注射の日を待たずに医療機関にかかってください。
  • つらくても、量や間隔は自分で変えません。変えるかどうかは処方した医師が決めます。

よく出るのは、どんな症状ですか?

添付文書の「その他の副作用」を、体の場所ごとに並べ直しました。頻度は添付文書の区分のままです。

体の場所5%以上1〜5%未満1%未満
胃・腸吐き気(悪心)、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、消化不良、食欲減退おなかが張る(腹部膨満)、胃酸が上がってくる(胃食道逆流性疾患)、げっぷおならが増える(鼓腸)、胆石症
注射した場所―赤み、かゆみ、痛み、腫れ―
全身―疲れやすさ、体重減少脈が速くなる、血圧が下がる
皮膚・感覚――湿疹・発疹などの過敏症、味がわかりにくい、感覚の異常
目――糖尿病網膜症
血液の検査値―膵アミラーゼ・リパーゼの上昇―

「―」はその区分に載っていないという意味です。表にない症状でも、気になるものは医師や薬剤師に伝えてください。

試験では、量ごとに何%の人に出ましたか?

日本人の2型糖尿病の人を対象にした国内の試験(52週、デュラグルチドと比べた試験)で多かった副作用です。添付文書の臨床成績の欄にある数字です。

症状5mgの群10mgの群15mgの群
吐き気11.9%19.6%19.4%
便秘13.8%16.5%11.9%
食欲減退13.8%12.0%21.3%
下痢10.1%――

「―」は、主な副作用として数字が挙がっていない欄です。

同じ成分チルゼパチドを使う肥満症の薬ゼップバウンドには、日本人の肥満症の人を対象にした試験(SURMOUNT-J)があります。ここでは15mgの群で便秘が23.4%、吐き気が22.1%でした。偽薬の群の便秘は2.7%です。10mgの群では便秘13.7%、食欲減退12.3%でした。対象の病気も量も違うので、マンジャロの数字とそのまま比べることはできません。

この症状が出たら、どうすればいいですか?

添付文書で「重大な副作用」とされているものを中心に、症状から引けるようにしました。赤い枠の中は、様子を見ないで受診する目安です。

次の注射の日を待たずに医療機関へ
こんな症状考えられるもの(添付文書の頻度)
吐いていて、激しいおなかの痛みが続く急性膵炎(0.1%未満)
便が出ずおなかが強く張り、痛みや嘔吐もあるイレウス=腸閉塞(頻度不明)
おなかが痛く熱が出る。皮膚や白目が黄ばむ胆嚢炎(頻度不明)、胆管炎(0.1%未満)、胆汁うっ滞性黄疸(頻度不明)
息が苦しい。じんましんが全身に出る。顔や唇、のどが腫れるアナフィラキシー、血管性浮腫(頻度不明)
冷や汗が出る。手が震える。どきどきする。ふらつく低血糖(頻度不明)
こんな症状どう動くか
吐き気・嘔吐・下痢が続いて、水分もとれない脱水から急性腎障害になるおそれがあると添付文書にあります。早めに医師へ
片方の目が急に見えにくくなった目の神経の病気(NAION)の報告があります。受診してください
便秘が何日も続く、だんだん強くなる処方した医師に相談。張りや痛み、嘔吐が加わったら上の枠へ
軽い吐き気や食欲の低下量を自分で変えずに、次の受診で医師に伝える。つらければ早めに連絡
注射した場所が赤い・かゆい打つ場所を毎回変える。広がる、熱をもつ、長引くときは医師へ

症状は、いつごろ出やすいですか?

マンジャロは少ない量から始めて、段階を踏んで増やす薬です。添付文書の決まりは次のとおりです。

  1. 始め:週1回2.5mgを4週間。
  2. 5週目から:週1回5mg。これが維持の量です。
  3. 足りないとき:4週間以上あけて、2.5mgずつ増やせます。
  4. 上限:週1回15mgまで。

おなかの症状が何日で落ち着くかを示した公式の数字は、確認できませんでした。上の国内試験では、吐き気は5mgの群より10mg・15mgの群のほうが多く出ていました。量が変わった後は、体調の変化に気を配ってください。

髪が抜ける・気分が沈む・脱水は副作用ですか?

髪の毛

2026年9月改訂のマンジャロの添付文書を見ても、副作用の欄に脱毛は出てきません。一方で、成分が同じ肥満症の薬ゼップバウンドの添付文書には「脱毛症」があり、頻度は1〜5%未満です。セマグルチドを使う肥満症の薬ウゴービにも、同じ区分で載っています。薬が直接の原因なのか、短い間に体重が減ったためなのかは、添付文書からはわかりません。

気分の落ち込み

マンジャロの添付文書には、「うつ」や「自殺」の言葉は見当たりません。海外では、欧州医薬品庁(EMA)が2024年に、GLP-1受容体作動薬と、自殺や自傷の考え・行動との因果関係は今ある証拠では支持されないとまとめました。ただ、このときの評価の対象にチルゼパチドは含まれていません。米国食品医薬品局(FDA)は2026年1月、肥満症の薬の添付文書から自殺の考え・行動の警告を外すよう求めました。それでも、新しく気分が沈む、前より悪くなるといったときは医療者に伝えるよう呼びかけています。国内では日本肥満学会が、とくに高度肥満症の人の心の変化に気をつけるよう求めています。落ち込みが長引くときは、処方した医師に話してください。

脱水と腎臓

下痢や嘔吐が続くと体の水分が減り、急性腎障害につながるおそれがある、と添付文書の重要な注意に書かれています。同じ注意は、ほかのGLP-1系の薬の添付文書にもあります。水分がとれない状態が続くなら、そのまま待たずに医師に連絡してください。

手術・胃カメラ・飲む避妊薬の前に伝えること

ほかの注意は使っている間の注意にまとめています。

痩せる目的で使っていた場合の救済制度

マンジャロが承認されている病気は2型糖尿病だけです。厚生労働省は、美容や痩身のために承認外で使って重い健康被害が起きたとき、医薬品副作用被害救済制度の給付は「受けられない可能性が非常に高い」としています。個人輸入した薬による健康被害は「救済対象となりません」とされています。SNSなどで個人から買う売り買いは違法です。詳しくは痩せる目的で使うことへの注意をご覧ください。

質問と答え

吐き気がひどいので、自分で量を減らしてもかまいませんか?

自分では変えないでください。量を減らす、休む、やめるといった判断は処方した医師がします。水分もとれないほどなら、すぐに連絡してください。

注射したところが赤く腫れました。よくあることですか?

注射した場所の赤み・かゆみ・痛み・腫れは、添付文書で1〜5%未満の頻度とされています。打つ場所は毎回変えるきまりです。赤みが広がる、熱をもつ、なかなか引かないときは医師に相談してください。打ち方は打ち方と保管にあります。

副作用はいつまで続きますか?

何日で治まるかを示した公式の数字は見つかっていません。長引く、生活に差し支えるといったときは、我慢を続けずに医師に伝えてください。

このページの根拠(原文を開いて確かめた資料)
  1. マンジャロ皮下注 電子添文(2026年9月改訂 第11版)|PMDA(2026-09-29確認)
  2. ゼップバウンド皮下注 電子添文(2026年9月改訂 第6版)|PMDA(2026-09-29確認)
  3. ウゴービ皮下注SD 電子添文(2026年6月改訂 第7版)|PMDA(2026-09-30確認)
  4. Kadowaki T, et al. SURMOUNT-J. Lancet Diabetes Endocrinol. 2025;13(5):384-396(2025年)
  5. 医薬品・医療機器等安全性情報 No.406|厚生労働省(2023年12月)
  6. マンジャロ・リベルサスなどの2型糖尿病治療薬の美容・痩身目的での使用による健康被害にご注意ください|厚生労働省(2026年6月)
  7. 医薬品等を海外から購入しようとされる方へ|厚生労働省(2026-09-30確認)
  8. Meeting highlights from the PRAC 8-11 April 2024|EMA(2024年4月12日)
  9. FDA requests removal of suicidal behavior and ideation warning from GLP-1 RA labeling|FDA(2026年1月13日)
  10. 肥満症治療薬の安全・適正使用に関するステートメント|日本肥満学会(2025年4月10日改訂)

ここに書いているのは公的な資料の要約です。あなたの体に合うかどうかの判断はできません。使い始める・中止する・量を変える前に、処方を受けた医師か薬剤師に確かめてください。医療機関の紹介や薬の販売は行っていません。