ジャディアンスとマンジャロの違い
- ジャディアンスは、腎臓で糖を体に戻す働きを止めて、尿に糖を出す飲み薬です。
- マンジャロは、GIPとGLP-1という2つのホルモンの受け皿(受容体)に働く、週1回の注射です。
- 電子添文で、マンジャロは吐き気などおなかの症状が「5%以上」の欄にあります。ジャディアンスの表にある胃腸の症状は、便秘とおなかの張りだけです。
- どちらが合うかは、病気と体の状態で決まります。薬を変えるかどうかは、処方した医師が決めます。
仕組みの違い
どちらも2型糖尿病の薬ですが、血糖を下げる道すじがまったく違います。
- ジャディアンス(エンパグリフロジン):腎臓には、尿に出かけた糖を体に戻すSGLT2というたんぱく質があります。その働きを止め、糖を尿と一緒に出して血糖を下げます。
- マンジャロ(チルゼパチド):GIP受容体とGLP-1受容体に結びついて働きます。血糖の濃さに応じて、インスリンが出るのを助けます。血液中のたんぱく質(アルブミン)とくっついて、効き目が長く続きます。
比べる表
| 項目 | ジャディアンス錠 | マンジャロ皮下注 |
|---|---|---|
| 成分 | エンパグリフロジン | チルゼパチド |
| 薬の種類 | 選択的SGLT2阻害剤 | 持続性GIP/GLP-1受容体作動薬 |
| 使い方 | 錠剤を1日1回、朝食の前か後に飲む | 週1回、皮下注射する(単回使用の注入器) |
| 量 | 10mgから。2型糖尿病で効果が足りなければ25mg | 2.5mgで始め、4週後に5mg。4週以上あけて2.5mgずつ増やせ、15mgまで |
| 承認された病気 | 2型糖尿病(10mg・25mg)、慢性心不全(10mg)、慢性腎臓病(10mg) | 2型糖尿病のみ |
| 肥満症の効能 | 無い | 無い(同じ成分の肥満症の薬は別の製品のゼップバウンド) |
| 保管 | 室温 | 2〜8℃ |
| 規制の区分 | 処方箋医薬品 | 劇薬・処方箋医薬品 |
| 発売 | 2015年2月 | 2023年4月 |
体重がどれだけ減るかの列は作っていません。どちらも体重を減らす効能は無く、試験の体重の数字は対象も期間も違うため、横に並べて比べられないからです。
副作用の載り方の違い
電子添文の「その他の副作用」で、胃や腸の症状がどの頻度の欄にあるかを並べました。
| 頻度の欄 | ジャディアンス | マンジャロ |
|---|---|---|
| 5%以上 | (欄が無い) | 吐き気(悪心)、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、消化不良、食欲減退 |
| 1〜5%未満 | ― | おなかの張り、胃食道逆流性疾患、げっぷ |
| 0.1〜5% | 便秘 | ― |
| 0.1%未満 | おなかの張り | ― |
ジャディアンスの添文の表には、吐き気・嘔吐・下痢がありません。インタビューフォームの試験の合計(10,484人)では、下痢が22件(0.2%)、吐き気が22件(0.2%)、嘔吐が7件(0.1%未満)でした。
マンジャロの胃腸の症状の詳しい頻度は、マンジャロの副作用にまとめています。
重大な副作用は、どちらにもある
- ジャディアンス:低血糖、脱水、ケトアシドーシス、腎盂腎炎・フルニエ壊疽・敗血症
- マンジャロ:低血糖、急性膵炎、胆嚢炎・胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸、アナフィラキシー・血管性浮腫、イレウス(腸閉塞)
出やすい症状の種類が違う、というのが添文から言えることです。どちらかの負担が軽い、とは言えません。ジャディアンスでは尿や性器の感染、頻尿、のどの渇きなどが副作用に挙がっています(ジャディアンスの電子添文)。
マンジャロで吐き気が続いている人へ
吐き気が続いて、仕組みの違う薬があるのか知りたい。そう考えて調べている人に向けて、事実だけを並べます。
- 自分で量を減らしたり、やめたりしない:マンジャロの量や間隔を変えるかどうかは、処方した医師が決めます。水分もとれない、強い腹痛が続くといったときは、次の注射の日を待たずに受診してください。
- 病気が違えば、使える薬も違う:ジャディアンスが承認されているのは、2型糖尿病・慢性心不全・慢性腎臓病です。どちらも肥満症の効能はありません。痩せる目的でマンジャロを使っていた場合、ジャディアンスがその代わりになるという承認はありません。
- ジャディアンスでも、吐き気は「受診の合図」になる:ジャディアンスの患者向けの資料では、吐き気・嘔吐・腹痛はケトアシドーシスの症状として挙がっています。血糖が高くなくても起こりうるため、出たらすぐ受診します。
- 相談するときに伝えること:いつから、どのくらいの吐き気が続いているか。食事や水分がとれているか。ほかに飲んでいる薬。これらを医師に伝えると、判断の材料になります。
薬を変えるか、量を調整するか、ほかの手を考えるかは、病気と体の状態を診た医師が決めることです。このページは、どちらかを選ぶためのものではありません。
一緒に使うことはある?
ジャディアンスの電子添文の併用注意には「GLP-1受容体作動薬」が、マンジャロの電子添文の併用注意には「SGLT2阻害剤」が載っています。どちらも、低血糖が起きやすくなるためです。
一緒に使うかどうかは、処方する医師が判断します。2つを使う場合は、低血糖の症状を前もって知っておくことが大切です。
質問と答え
マンジャロで吐き気がつらいので、ジャディアンスに変えてもらえますか?
決めるのは処方した医師です。ジャディアンスが使えるのは承認された病気(2型糖尿病・慢性心不全・慢性腎臓病)の治療です。まず吐き気がどのくらい続いているかを医師に伝えてください。水分がとれないときは早めに受診します。
ジャディアンスなら吐き気は出ませんか?
出ないとは言えません。試験の合計では吐き気は0.2%でした。また、吐き気・嘔吐・腹痛はケトアシドーシスの症状でもあります。飲んでいる間に出たら、すぐ医療機関にかかってください。
どちらのほうが体重が減りますか?
比べられません。どちらも体重を減らす効能は無く、試験の体重の数字は対象も期間も違います。マンジャロの試験の数字の読み方は試験で記録された体重の変化にあります。
飲み薬のほうが注射より楽ですか?
使い方が1日1回の錠剤か、週1回の注射かの違いはあります。ただ、副作用の種類も、使える病気も違います。どちらが楽かは人によって違い、このサイトでは順位をつけません。
- ジャディアンス錠10mg・25mg 電子添文(2025年9月改訂 第8版)|PMDA(2026-10-01確認)
- マンジャロ皮下注 電子添文(2026年9月改訂 第11版)|PMDA(2026-10-01確認)
- ジャディアンス錠 医薬品インタビューフォーム(2025年9月改訂 第20版)|PMDA(2026-10-01確認)
- ジャディアンス錠 患者向医薬品ガイド|PMDA(2026年1月更新)
- ジャディアンス錠 おくすりガイド|PMDA(2026年5月作成)
ここに書いているのは公的な資料の要約です。あなたの体に合うかどうかの判断はできません。使い始める・中止する・量を変える前に、処方を受けた医師か薬剤師に確かめてください。医療機関の紹介や薬の販売は行っていません。