マンジャロの値段と、定期便・解約で困らないために
- 保険診療で使う公定の値段(薬価)は、2026年8月1日に約25%引き下げられました。1本あたり2.5mgが1,443円、5mgが2,886円です。
- 痩せる目的の処方は保険の外(自由診療)です。値段は医療機関がそれぞれ決めるもので、薬価とはつながっていません。
- オンライン診療で出された薬は、クーリング・オフや途中の解約が難しいことがあると国民生活センターが呼びかけています。止め方を申し込む前に確かめてください。
保険の値段(薬価)は、量ごとにいくら?
厚生労働省の薬価基準の一覧(2026年8月13日適用)から写した、1本(1キット)あたりの値段です。
| 量 | 今の薬価(2026年8月1日〜) | 7月までの薬価 | (参考)ゼップバウンドの薬価 |
|---|---|---|---|
| 2.5mg | 1,443円 | 1,924円 | 3,067円 |
| 5mg | 2,886円 | 3,848円 | 5,797円 |
| 7.5mg | 4,329円 | 5,772円 | 7,721円 |
| 10mg | 5,772円 | 7,696円 | 8,999円 |
| 12.5mg | 7,215円 | 9,620円 | 10,180円 |
| 15mg | 8,658円 | 11,544円 | 11,242円 |
薬価は、保険で診療を受けたときの薬の値段として国が決めたものです。窓口で払うのは、このうち自分の負担割合の分です。診察料などは別にかかります。自由診療の値段を考える目安にはなりません。
ゼップバウンドは肥満症の薬で、保険で使える条件が決まっています(保険適用の目安)。
なぜ2026年8月に安くなったのですか?
売上が大きく伸びた薬の値段を見直す「持続可能性特例価格調整」の対象になったためです。2026年5月13日の中央社会保険医療協議会(中医協)で了承され、8月1日から新しい薬価になりました。下がった幅はおよそ25%です。
ゼップバウンドは2025年3月19日に薬価に載りました。2026年8月13日適用の一覧でも、載ったときと同じ額です。
痩せる目的の処方の値段は、どう見ればいい?
マンジャロが承認されている病気は2型糖尿病だけです。痩せる目的で処方を受けるときは保険が使えず、値段はそれぞれの医療機関が決めます。薬代とは別に、診察料や送料がかかったり、定期便の条件がついたりすることもあります。
当サイトは、医療機関ごとの値段を載せたり比べたりはしません。表示を見るときは、次の点を一つずつ確かめてください。
- 書いてある額は1本分か、4本などのまとめた分か。何mgの値段か
- 量が増えたら、いくらになるのか
- 診察料・送料・キャンセル料が含まれているか
- 自動で次が届く定期便か、その都度買う形か
- 副作用が出たときに連絡できる電話番号が載っているか
国の医療広告のルールでは、自由診療を広告するときは費用やリスク・副作用などを示すことになっています。承認と違う目的で使う場合は、さらに「救済制度の対象にならないこと」なども示す必要があるとされています。2026年6月16日の国の通知は、承認外の目的の自由診療の広告は原則として禁止だとしています。申し込む前の確認はオンライン診療の確認リストにもまとめています。
実際にあった定期便のトラブル
国民生活センターは2023年12月に、ダイエット目的で何か月分もの糖尿病の薬が処方される定期購入の相談が目立つと発表しました。美容医療のオンライン診療の相談件数は次のとおりです。
| 年度 | 相談件数 |
|---|---|
| 2021年度 | 49件 |
| 2022年度 | 205件 |
| 2023年度(10月31日まで) | 169件 |
このときの発表では、薬や副作用の説明、持病についての問診が足りない例が挙がっています。運営する会社と医師のどちらが責任を持つのかわかりにくい例もありました。
2026年6月の発表には、20歳代の女性の相談が載っています。痩せるためにGLP-1受容体作動薬を処方してもらったところ、知らないうちに定期購入になっていて、また薬が届きました。注射薬4本で約2万円でした。体に合わず3本を使わずに残していましたが、「医薬品のためキャンセルはできない」と言われたそうです。1年分など長い期間の処方がされる例もあるとしています。
困ったときは、消費者ホットライン188にかけてください。お住まいの地域の消費生活センターなどにつないでもらえます。
解約やクーリング・オフの決まりは当てはまる?
関係しそうな決まりは3つあります。ただ、オンライン診療で処方された薬では、どれも使えないことがあります。
| 決まり | ふつうの場合 | 処方された薬のとき |
|---|---|---|
| 通信販売の定期購入のルール(2022年6月1日から) | 申し込みの最後の画面に、量・値段・期間・解約の条件などを出すことが事業者の義務。まぎらわしい表示で申し込んだときは取り消せる | 医師が判断して出した薬の申し込みは、このルールの対象(特定申込み)にならない場合がある |
| 通信販売の返品 | 通信販売にはクーリング・オフがない。届いて8日以内なら返せるが、返品を受けないと広告に書いてあればその条件が優先 | 「医薬品は返品できない」とされている例が多い |
| 美容医療の契約(特定継続的役務提供) | 1か月を超え、5万円を超える契約なら、書面を受け取って8日以内はクーリング・オフできる。途中でやめるときの違約金にも上限がある(始める前は2万円、始めた後は5万円か残りの額の20%の低いほう) | 国民生活センターは、脂肪を減らす効能のない薬の処方などは原則この契約に当たらず、一方的にやめるのは難しいと説明 |
どの決まりに当たるかは、契約の中身によって変わります。申し込む前に、何回届くのか、いつまでに連絡すれば次を止められるのかを確かめてください。申し込みの画面、届いたメール、届いた日付は、あとで見返せるよう残しておきましょう。
安く手に入れたくて、個人輸入やSNSを考えている人へ
厚生労働省は、GLP-1受容体作動薬などをインターネットで個人どうしで売り買いするのは違法だとしています。手に入れた薬が、偽物、品質が落ちたもの、中身や量がわからないものである可能性も挙げています。製造元の日本イーライリリーも、許可なく個人で売る・転売するのは薬機法に違反すると説明しています。
個人輸入は自分で使う分に限られ、処方箋医薬品には量の上限もあります。そして厚生労働省は、個人輸入した医薬品による健康被害は、医薬品副作用被害救済制度の「救済対象となりません」としています。英国では2026年2月に、オンライン薬局を通じて偽造品が出回った例が報告されました。詳しくは個人輸入・SNS売買の危険をご覧ください。
国のオンライン診療の指針(2026年4月改訂)は、医学的に必要がないのに体重を減らす目的で糖尿病の薬を希望された場合に処方することを「あってはならず」としています。持病などがわからない初診の人に、8日分以上を出さないことも決めています。
質問と答え
薬価が下がったなら、自由診療の値段も下がりますか?
下がるとは限りません。自由診療の値段は医療機関が決めていて、薬価の改定に合わせる決まりはありません。
定期便を止めたいのに、事業者と連絡がとれません。
申し込んだときの画面、やり取りしたメール、薬が届いた日付などを残したうえで、消費者ホットライン188に相談してください。
「医薬品なので返品できません」と言われました。本当ですか?
通信販売では、返品を受けない条件を広告に書いていればその条件が優先されます。ただ、表示のしかたや契約の形によって扱いが変わることもあります。自分で判断がつかないときは188に相談してください。
- 薬価基準収載品目リスト(令和8年8月13日適用)注射薬|厚生労働省(2026年8月)
- 市場拡大再算定及び持続可能性特例価格調整の対象品目について(中医協 総-4-3)|厚生労働省(2026年5月13日)
- GLP-1受容体作動薬及びGIP/GLP-1受容体作動薬の適正使用について(通知)|PMDA(2026年6月16日)
- 痩身目的等のオンライン診療トラブル|国民生活センター(2023年12月20日)
- ニキビ、AGA治療や痩身目的等のオンライン診療のトラブルにご注意|国民生活センター(2026年6月23日)
- 特定継続的役務提供|消費者庁 特定商取引法ガイド(2026-09-29確認)
- 通信販売|消費者庁 特定商取引法ガイド(2026-09-29確認)
- オンライン診療の適切な実施に関する指針(令和8年4月改訂)(2026年4月2日)
- 医薬品等の個人輸入について|厚生労働省(2026-09-29確認)
- 医薬品等を海外から購入しようとされる方へ|厚生労働省(2026-09-30確認)
- マンジャロ・リベルサスなどの2型糖尿病治療薬の美容・痩身目的での使用による健康被害にご注意ください|厚生労働省(2026年6月)
- 当社製品の適正使用に関する取り組み|日本イーライリリー(2026-09-29確認)
ここに書いているのは公的な資料の要約です。あなたの体に合うかどうかの判断はできません。使い始める・中止する・量を変える前に、処方を受けた医師か薬剤師に確かめてください。医療機関の紹介や薬の販売は行っていません。